2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国雲南省少数民族の伝統薬物調査とその有効利用に関する研究(第二次)
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18406028
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 喜久 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60035558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 和義 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00248296)
村上 光太郎 崇城大学, 薬学部, 教授 (10035553)
樋口 富彦 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50035557)
柴田 洋文 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00093865)
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Keywords | 伝承医薬品 / 民間医療 / 民間薬 / 少数民族薬物 / 生薬学 / 天然物化学 / 伝統薬物調査 / 中国雲南省 |
Research Abstract |
今回調査の対象とした地域は雲南省西部(徳宏〓族景頗族自治州,保山地区)で,この地域に居住する主な少数民族はアチャン(阿昌)族,チンポー(景頗)族,タイ(〓)族,ペー(白)族などである。各民族の密集する居住地に行き,以下の方法で情報を収集した。なお,採集した生の薬物はさく葉とし,乾燥品はそのまま標本とした。これらは中国科学院昆明植物研究所および徳島大学薬学部で保管している。 1.民族薬市場で売られている薬物を収集し,その売人に採集場所,効能,使用法などをインタビューする。可能であれば,売人にその採集場所を案内してもらう。 2.民族薬の知識が豊富な人物を訪ね,使用している薬物,効能,使用法などをインタビューする。 収集できた薬物情報は全部で159件で,そのうち126件について種の同定が終了した。今回は植物,動物,鉱物由来の薬物を収集することができた。ミャンマーとの国境地域であるため,他の地域には見られないような薬物(ゾウの皮膚など)が確認された。薬物の使用形態としてはこれまでと同様に多くは配合処方であり,使用目標としては婦人疾患に浴用とするための薬材が目立った。特にアチャン族が複方を好んで利用することがわかった。今回,特徴的であったのは,タイ族からの情報をタイ文字で収集できたことである。西双版納地区での調査ではタイ族からの情報は多かったものの,文字を表記できる人が少なかったが,今回は多くの人が文字によってその薬物名を記載してもらったため,正確に現地名を記録することができた。
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