2006 Fiscal Year Annual Research Report
移動体無線通信網におけるサービス品質の評価と通信資源の最適配分に関する理論的研究
Project/Area Number |
18500045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高木 英明 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (30260467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 勇兵 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (80242353)
李 頡 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (50251046)
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Keywords | 情報通信システム / 移動体無線通信網 / 待ち行列 |
Research Abstract |
1.次世代の無線移動体通信システムにおける所要周波数帯域幅算出法の基礎となる待ち行列モデルの解析 多様なトラヒック特性(速度、サービス品質に対する要求等)をもつ多数のパケット交換型トラヒックが通信チャネルを共有するシステムや、符号分割多重接続(CDMA)方式による無線伝送の通信性能評価を行う理論的モデルの基礎として、サーバが遊休期間中にも低速度でサービスを行うという新しい待ち行列モデルを提案し、確率過程の理論により、その解析を行った。 2.セルラ移動体通信網におけるハンドオーバ数の計算 セルラ移動体通信網においては、ユーザが通話中に隣のセルに移ると、そのセルで新たに周波数を割当てたり、位置情報を更薪したりするハンドオーバ処理が必要となる。ハンドオーバの失敗は、通話の強制切断につながるので、ハンドオーバ数の評価は重要である。同じ方法は、基地局における移動体の位置情報管理のためのデータ更新の最適時間間隔の決定にも使うことができる。幾何学的確率及び再生確率過程の理論を応用して、移動体の一通話当りのハンドオーバ数の確率分布を計算した。 3.時間的に急激に変化する通信負荷が通信チャネルの性能に与える影響の計算モデル 無線通信網の性能評価は、これまで、通信負荷が時間的に定常であると仮定して行われてきたが、実際には負荷が急激に変化する場合に故障が起こりやすい。そこで、時間的に変化する通信負荷をもつチャネルの性能を、有限個の状態空間をもつ連続時間Markov過程のモデルにより、解析を始めた。 4.次世代(2010年以降)の無線移動体通信システムの所要周波数帯域幅算出法 研究協力者である(株)NTTドコモワイヤレス研究所の吉野仁博士のグループとともに、電磁波の周波数割当ての現状、算出法の基礎となる確率過程と待ち行列理論の入門、現行の第3世代システムに使われた算出法、次世代システムのための新算出法(ITU-Rで採択されたもの)及びその計算アルゴリズム、今後の研究課題等をまとめた解説書の共同執筆を開始した。
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Research Products
(3 results)