2006 Fiscal Year Annual Research Report
色表示機器間での色の見えの不一致問題解決のための個人の等色関数の測定
Project/Area Number |
18500160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内川 惠二 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (00158776)
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Keywords | 等色関数 / 色の見え / カラーマネージメント / 感性情報学 / 色覚計測 / 心理物理学 / 視覚情報処理 / 色彩工学 |
Research Abstract |
DMD(Digital Micro-mirror Device)を利用した,任意スペクトル呈示ユニットを作製し,そのユニットを用い,光源に「キセノンランプ」を利用した等色関数測定装置を完成した.本装置では,被験者への刺激呈示方法として光量利用効率のよいマックスウェル法を採用し,刺激サイズを視角2度とし,網膜照度が100td以上確保できるように光学系内のパラメータを設定した. 等色関数測定の方法としては,CIE標準観測者の等色関数を求めるのに用いられた最大彩度法と,テスト光を白色に調整するマックスウェル法という2方法を試行した.「参照刺激とテスト刺激を等色させる」という実験タスクに関しては,最大彩度法では等色点を見つけるのが非常に困難であり,マックスウェル法による実験方法の方が被験者の満足度が高いことがわかった.その一方で,個々の実験のばらつきが解析に対して大きく影響を及ぼすことが判明し,等色というタスクに対して習熟して安定した結果が得られる被験者を用いて実験を行う必要があることが予備実験によって明らかになった.さらに,そのような被験者においても,一回の等色実験において31セット(波長)の等色した実験結果に対して,直後に確認プロセスを設けることにより,実験中に判断基準が保たれていたか,等色結果に不備がなかったかどうかを被験者自身が確認できるようにした.このような、必要であればそのセットに対して再度等色実験を行うという手法が精度を高めるために有効であることを見出した. この方法により,色覚正常な被験者2名の等色関数を測定した.その結果,CIE標準観測者の等色関数とは短波長成分で多少異なる等色関数が得られた.
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