2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500203
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70324366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (00273003)
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Keywords | 機能的磁気共鳴画像 / 脳賦活検査 / 扁桃体 / セロトニン / 顔認知 / 遺伝子多型 / 多文化研究 / DTI |
Research Abstract |
機能的磁気共鳴画像(fMR I)と脳賦活検査を用いて、健常被験者のストレス脆弱性と扁桃体機能との関連性について研究した。顔刺激と不快な音声刺激を同時に呈示した場合には音声刺激を呈示しない場合よりも、扁桃体の活動が有意に大きく変化していることが分かった。この反応は刺激呈示の前半では促進性に働き、後半では抑制性に働いていた。このような学習期における扁桃体活動の変化は、従来の嫌悪条件付けの場合と同様の機序が働いている可能性を示唆している。現在は被験者数が20名を越えていることから、次にこの被験者群からゲノムを採取して解析した。その結果セロトニントランスポーター遺伝子の多型により、扁桃体の活動が異なっている可能性が示唆された。そのためさらに被験者を増やして実験を行い、多型間の比較を行う予定である。 多文化・人種間で脳機能を比較する研究を遂行中であるが、ここでは同じ課題を日本人と米国の白人および日系アメリカ人を対象としている。その予備的実験として、異なったまたは同じ人種の顔を認知する場合の脳活動について日本人被験者を対象に検討した。特に笑顔は人種間でも間違えようのない表情であり、笑顔の認知で脳賦活に違いがあるとすれば誤解や単なる達成率の差とは無関係と推察される。今回は自分と同じ人種の表情認知に関わる脳領域を同定するための実験を行い、後部帯状回がその領域であることを英文論文として発表した。 各脳領域間を結ぶ線維束は、MRIを用いると拡散テンソル画像(DTI)として可視化することができる。今回は基礎的な実験として種々の認知機能や性格傾向と線維束の統合性との関連を検討し、その結果を国際学会で報告した。将来的には扁桃体と前頭葉の機能的関連性について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)