2007 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス可塑性の基盤となるシナプス解離制御機構の解明
Project/Area Number |
18500263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 彩栄 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (80321610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 健吾 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378663)
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Keywords | アルツハイマー病 / プレセニリン / リン酸化 / シナプス / シグナル伝達 / カドヘリン |
Research Abstract |
われわれは、成熟シナプスの機能が細胞結合因子によりどのように動的に制御されているかを明らかにする上で、シナプスの結合および解離のメカニズムの研究は極めて重要であると考えている。そこで、今回の研究計画では、脳の海馬のシナプス結合に特異的に局在することが知られているN-cadherinやその関連蛋白の役割について重点的に研究することで、シナプスの可塑性の分子メカニズムに迫ることを目的して計画を立案した。 N-cadherinのような接着分子が、プロテアーゼ(主にはプレセニリンを中心とするγセクレターゼ)の切断により、さまざまな情報伝達にも関わってくるという概念を「Regulate intramembrane proteolysis(Rip)」と呼び、近年極めて注目されている。しかしながら、Ripの詳細な役割は不明であり、単なるdegradation processでないかという見方も出てきている。われわれは、実際にN-cadherinが切断されることにより、シナプス接着の切断からはじまり転写制御による新しい蛋白合成が引き起こされることまでを、培養神経系細胞で確認し、これをさらに発展させて、ノックインマウスを作成して生理的状況で可視化して検証したいと考えている。本研究課題では、Rip制御を受けない変異N-cadherinのノックインマウスを作成し、現在F1ヘテロマウスが生まれている。これをさらに解析して、Rip制御の成体における役割を解明することにつなげて行きたい。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Amyloid beta inhibits ectodomain shedding of N-cadherinvia down-regulation of cell-surface NMDA receptor.2007
Author(s)
Uemura, K., Kuzuya, A., Aoyagi, N., Ando, K., Shimozono, Y., Ninomiya, H., Shimohama, S., & Kinoshita, A.
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Journal Title
Neuroscience 145
Pages: 5-10
Peer Reviewed
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