2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着因子L1-CAMの翻訳後調節と神経因性疼痛における役割
Project/Area Number |
18500269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山中 博樹 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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Keywords | cell adhesion / L1-CAM / proteolysis / Dorsal root gamglia / dorsal horn synapse / synaptic reorganization / p38 MAPK / neuropathic pain |
Research Abstract |
申請時に予定した実験のほとんど全てを行い、NCAM L1-CAMの接着因子の末梢神経損傷による挙動の変化を確認した。その中でも特にL1-CAM蛋白の局在変化が損傷ニューロンにおいてダイナミックに現れ、疼痛発現に関与していることをあきらかにした。 しかし、NCAMに関しては種々の条件を検討したものの、変化を捉えることはできなかった。L1-CAM蛋白の挙動の変化とは損傷ニューロン周囲と投射先のシナプスへの集積であり、この変化はL1-CAM mRNAの転写の変化を伴わない事を明らかにして、また単なる蛋白の集積ではなく、特にシナプス領域ではその切断パターンが増えることも見出した。さらに、細胞周囲に集積したL1-CAMに対して接着阻害の目的で抗体を投与する事でMAPK、の一つであるp38 MAPKの活性化を阻害し、疼痛行動の抑制につながることがわかった。 すなわち、本研究では末梢神経損傷による損傷ニューロンとその周囲の環境との関連がこのL1-CAMの集積を介して行われ、新たな細胞間のコミュニケーションが成立する事が、神経因性疼痛のメカニズムである事を明らかにする事ができた。 また、学術雑誌への投稿には含まれていないが、L1-CAMの共役因子の候補受容体として線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)の活性化を見出して学会発表へと展開されている。
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Research Products
(10 results)