2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌診断の為のトランスクリプトーム解析情報を利用したプロテオーム解析方法の開発
Project/Area Number |
18500345
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 通雅 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00144436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 誠二 京都大学, 医学研究科, 講師 (00303834)
野村 明成 京都大学, 医学研究科, 助手 (20402901)
|
Keywords | プロテオーム解析 / 肝癌 / PMF法 / トランスクリプトーム解析 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
癌の組織を用いて行ったトランスクリプトーム解析特にRT-PCR法の結果を、ニューラルネットワークにかけて、癌の再発進行に関わる可能性の高い遺伝子を抽出した。37名の患者から得られた肝癌のサンプルを解析したところ、AFPを始めとする4個の遺伝子産物のRT-PCRデータが予後の経過を予測するのに有効で、80%以上の的中率であることが確認された。この結果は臨床から得られた知見とも概ね一致するもので、これらの遺伝子産物が肝癌組織中でどのような働きをするかが着目される。 それでまずAFPについて、プロテオーム解析により、肝癌組織中の消長の測定を試みた。AFPは肝癌の血中マーカーとして有名であるが、肝癌組織中の検出はこれまでに報告されていなかった。従って技術的困難があると予想されるが、やはり、AFPは生体内に著量存在するアルブミンと分子量、pIがほぼ一致し、質量分析計にかけてPMF法で解析してもデータベースから想定されるタンパクは全てアルブミンであり、AFPは特定できなかった。その解決策として、AFPに対する、ポリクロナール抗体を作成し、AFPの所在を確かめた後、AFPの分離精製を検討を考えている。またその情報を元に、注目の領域部分の拡大はもとより、その中の各ピクセルごとの経時変化までも3次元表示で観察可能にして二次元電気泳動の画像解析システムの大幅な改良を行う予定である。今年度はこれら画像解析の改良の基盤である標準ポイントの作成と、各スポットの対応付けに成功した。これができることにより、本年度の研究段階で検出感度が上がり、染色時間の問題も解消されたことが確認された。ところで、微量なタンパクの場合、わずかな画像のずれでもスポットの対応付けを誤る可能性が考えられる。その点も含めて集中的かっ詳細な補正が半自動で容易に行えることが必要と考えられたので、それについても検討する。
|
Research Products
(3 results)