2006 Fiscal Year Annual Research Report
投能力の開発を目指した「認知衷体感衷実践衷評価」学習指導法の構築
Project/Area Number |
18500460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉澤 正尹 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (30020126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 充正 放送大学, 教養学部, 教授 (80023571)
西島 吉典 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60156073)
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Keywords | 投能力の開発 / 筋や腱 / 体感と実践 / 学習指導法 |
Research Abstract |
指導者は学習者により発現された動作を主として視覚的に観察したデータを基に、【目標とする動作】に近づけるために改善を要する動作を学習者に伝え、動作プログラムを修正させようと試みる。一方、学習者は自身が発現した動作を必ずしも視覚的に観察できるわけではなく、【目標とする動作⇔発現した動作の結果】を比較し、"動作した時の内的なセンサーを用いた自らの評価"に基づいて新たな動作プログラムを構築しようと試みていると考えられる。つまり学習者にとっての動作改善の学習とは、発現された自らの動作を筋や関節活動として感知する内的なセンサーを用いて評価し、その情報を次の学習に活かすことができる能力を獲得することであると言える。 そこで動作学習においては(1)目標とする動作ポイントがわかり⇔(2)動作試行時の筋や関節の感覚を意識し⇔(3)目標とする動作を試みる⇔(4)実践成果を認知と体感に基づいて評価する過程をもつ「認知⇔体感⇔実践⇔評価⇔新たな認知」というスパイラルでしかも《体感》に焦点を当てた指導法の構築が急務であると考えた。 本研究では遠投能力の開発を目指して、小学生及び特別な投運動の指導を受けたことのない女子大学生を対象とした現状の調査から、遠投動作における肩外旋動作、いわゆる"肩関節における上腕の捻じれ"が行われていないことに注目し、この動作に関わる筋や関節の感覚を投球時に体感しパフォーマンスとの関係をフィードバックしやすい指導法を考案し、小学校の3年生児童に適用した結果、遠投距離及び投初速度が有意に増加した。特に投球時に筋や関節の感覚が得られた児童では、投動作フォームならびに投能力に顕著な改善向上がみられた。 これらの結果から、指導者は学習者の動作改善に際しては動作試行時の筋や関節の感覚を意識させるような指導を行うことの重要性が示唆された。
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