2006 Fiscal Year Annual Research Report
英国に残存する民俗フットボールの研究-存続意義とスポーツの近代化の過程の考察-
Project/Area Number |
18500503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
吉田 文久 名古屋短期大学, 教授 (30191571)
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Keywords | 民俗フットボール / 存続意義 / 担い手 / 多様性 / 変容 |
Research Abstract |
平成18年度は、7月に、過去に短期間の調査に留まり、十分な資料を得られなかった現地を再訪問し、また今年度そして来年度調査に初めて出かける町へ事前調査に出かける計画であった。しかしながら、出国直前に英国でテロ事件が起こり、テロの再発の危険、その対策による入国規制や交通機関の乱れのために予定が立てにくいことから調査を見合わせた。 そのため、年内は、国内で収集できる範囲での資料収集に当たるとともに、いくつかの町のゲームに詳しい人物との手紙によるやり取りを中心に研究活動を行った。特に、これまで一定の情報を提供してくれているスコットランドのオークニー諸島の町、カークウォールKirkwallのバー委員会(スコットランドでは、民俗フットボールゲームのほとんどがバー<Ba'>と呼ばれる)の中心的人物であるBobby Leslie氏が旅行途中に日本に立ち寄るとのことから、インタビューを実施した。そこでは、Gladys Leslie夫人にも女性が受け止めるBa'ゲームへの思いを語ってもらった。 フィールドワークとしては、平成18年12月にカークウォールのゲーム観戦・調査を実施するとともに、スコットランドのボーダーズ地方に残る民俗フットボールゲームで未調査のゲーム(ジェドバラJedburgh,アンクラムAncrum,デナムDenholmの3つの町で残存している)、そして告解火曜日のフットボールShrove Tuesday Footballが行われているアニックAlnwickへ事前調査に出かけ、平成19年2月にそれら4つのゲームの観戦・調査を実施した。 現時点では、調査前に収集した資料から得た情報によるゲームの理解に実際のゲーム観戦、聞き取りから得られた情報を加え、それぞれのゲームについて整理するとともに、記録したゲームの写真・ビデオの編集作業を並行して行っている。なお、この作業の成果は平成19年7月にデンマークのコペンハーゲンで行われる国際スポーツ社会学会&スポーツ史学会で「スコットランドに残る民俗フットボールの研究-その類似点と相違点」というタイトルでポスター発表を行うことになっている。 なお、ゲームの記録に必要な主な機材類(カメラ、ビデオ等)は今年度の補助金で購入した。
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