2008 Fiscal Year Annual Research Report
英国に残存する民俗フットボールの研究-存続意義とスポーツの近代化の過程の考察-
Project/Area Number |
18500503
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
吉田 文久 Nagoya College, 教授 (30191571)
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Keywords | 民俗フットボール / 存続意義 / 担い手 / 多様性 / 変容 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までで一応終了したスコットランドに残存する民俗フットボール調査の成果を執筆する作業及び今年度と来年度に行う予定であるイングランドに残存する民俗フットボールの中で、アサーストンとアッシュボーンの二つの町で行われているゲームの調査を行った。まず、執筆作業としては、平成19年度に国際学会で行ったポスター発表にその後得た資料から得た情報を加え、名古屋短期大学研究紀要に英文の論文を執筆し、またそれに詳しい解説を加え、『スポーツ学の冒険』(船井他編著、黎明書房)に和文の論文を執筆した。そこでは、これまで文献を頼りに理解されていた民俗フットボールの実態を残存するゲームの調査・観戦から受け止め、ゲームの意味、ゲームの様相、ゲームの運営母体などをゲーム間で比較検討し、それらの独自性と類似性についてまとめた。いくつかの不明な点もあり課題は残されてはいるが、直接ゲームを観戦し、地元住民のゲームへの思いを受け止め、雰囲気を肌で感じた点なども含めて整理できたことは、これまでにはない視点でまとめたものとして意義深いと考えている。また、今回の両ゲームの現地調査は、事前にゲームに関する先行研究を中心にWeb上の記事まで可能な限り資料を収集し、どちらもゲームを運営する委員会の広報担当の人物に面会し、インタビューすることができたことから、文書には示されていない情報を数多く入手することができた。実際のゲームも観戦し、写真とビデオに無事納めることもできた。その後に生まれたゲームに対する疑問などについては、それに答えてくれるように約束を取り付けており、今後両ゲームの整理に当たりたい。
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Research Products
(2 results)