2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングが副交感神経系を介した唾液腺機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
18500516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
吉野 陽子 鎌倉女子大学, 家政学部, 講師 (70298248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 講師 (20166763)
鈴木 正成 早稲田大学, スポーツ科学部, 教授 (90015842)
中川 洋一 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90148057)
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Keywords | 唾液腺機能 / 唾液分泌 / 運動 / 食餌制限 / カリクレイン活性 / 唾液タンパク濃度 / 8-OHdG / α_2-アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
本研究では、運動トレーニングが副交感神経系を介して唾液腺機能を活性化させるか否かを明らかにすることを目的とする。そのために、コントロール群(非運動群)と摂食量を同量にするペアフィーディング条件下(pair-feeding)でマウスを12週間飼育し、回転ケージによる自発運動を実施した結果、運動とペアフィーディング群(exercise + pair-fed群)では、唾液中のタンパク濃度とカリクレイン活性値の有意な低下がみられた。この結果から、α-アドレナリン受容体の感受性の低下が起こったものと推測された。また、exercise + pair-fed群ではDNA損傷バイオマーカーである8-OHdGの有意な増大が認められた。さらに、食餌制限のみを20日間実施した場合や交感神経作動薬であるイソプロテレノールを5日間投与した場合では8-OHdGの変動がみられなかったのに対して、運動と食餌制限の両面を実施した場合に有意に増大することもわかった。 次に、唾液採取の際に使用した鎮静剤であるキシラジンはα_2-アドレナリン受容体のアゴニストであり、併用して使用する催唾剤であるピロカルピンは、副交感神経作動薬であることからクロストークが生じる。従って、キシラジンの有無が唾液分泌と成分に及ぼす影響を調べた。その結果、キシラジンを使用しない場合に比べて使用した場合、exercise + pair-fed群ではカリクレイン活性値が有意に低下した。このことから、運動と食餌制限の両面を実施するとα_2-アドレナリン受容体の感受性の低下がみられることが示唆された。そこで、現在、ウエスタン・プロッティング法により、exercise + pair-fed群におけるカリクレイン抗体の発現量の違いを調べている。さらに、α_2-アドレナリン受容体の発現量の違いも調べ、exercise + pair-fed群における唾液腺機能低下の原因を追究してゆきたいと考えている。
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