2007 Fiscal Year Annual Research Report
起立性低血圧に対する静脈血管の機能及び形態の関与についての研究
Project/Area Number |
18500554
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三浦 朗 Prefectural University of Hiroshima, 人間文化学部, 教授 (30190581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 雅子 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (30336911)
福場 良之 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00165309)
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Keywords | 静脈伸展性 / 毛細血管水透過性 / 持久性トレーニング |
Research Abstract |
(1)下腿静脈コンプライアンス(Vc)と毛細血管水透過性(FC)の関連性の検討: 本実験では、容量血管である静脈のコンプライアンスが低い、つまり血管に血液を貯留する能力が低いほど、毛細血管での水分濾過が大きいのではないかと仮説をたて、VcとFCの関連性を検討することを目的とした。下腿容積変化から求めたコンプライアンスVc(p)と膝窩静脈のコンプライアンスVc(b)には、有意な正の相関関係が認められた。また、FCとVc(p)、およびFCとVc(b)の両者においても、有意な負の相関関係が認められた。つまり、VcとFCには関連性があり、静脈のコンプライアンスが低いほど毛細血管での水分濾過が大きくなるという仮説を支持する結果となった。さらに、FCとVcの間の相関関係は、FCとVc(p)との関係により強い相関を示し、毛細血管での水分濾過は、膝窩静脈のような中等大の静脈よりもさらに先の小静脈や細静脈の伸展性に強い影響を受ける可能性が示唆された。 (2)下腿静脈コンプライアンスに及ぼす持久性運動トレーニングの効果: 本実験では、片脚持久性トレーニング(自転車エルゴメーターによる片脚持久性トレーニング、1回60分、10日間連続、強度は40% peakVO_2)の前後で、トレーニング肢と非トレーニング肢の静脈伸展性を測定評価し、短期間の持久性トレーニングが静脈伸展性に与える影響について検討することを目的とした。下腿容積変化から求めたコンプライアンスVc(p)と膝窩静脈のコンプライアンスVc(b)をトレーニング前後で比較したところ、トレーニング肢,非トレーニング肢ともに有意差は認められなかった。以上のことから、10日間連続という短期間の持久性トレーニングでは静脈の伸展性には影響を及ぼさないことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)