2009 Fiscal Year Annual Research Report
子ども達の睡眠習慣の確立と心身の健康および学力等への影響
Project/Area Number |
18500569
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 University of Toyama, 人間発達科学部, 教授 (50143839)
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Keywords | 生活習慣 / 睡眠 / 小学生 / 学力 / 発達段階 / 生活の質(QOL) / 就寝時刻 / 生活の自己管理 |
Research Abstract |
平成18年以降、小学生を対象に睡眠習慣と学力との関連や、起床時の気分を改善することにより日中のパフォーマンスが向上すること等について報告を行ってきた。今回はさらに成長期に睡眠習慣を確立することが生活スタイルとどのように関連するのかについて検討する目的で、学年進級に伴う睡眠習慣およびその他の生活習慣の変化を縦断的に調査し、相互の関連について分析を行った。富山市内のF小学校において、平成20年9月(3~5年生)と、平成21年6月(進級して4~6年生)に実施した富山県教育委員会「とやまゲンキッズ」の生活習慣調査の結果を、進級前後の9ヶ月間の生活習慣の変化として検討した。 生活習慣全体では、3~4年、4~5年、5~6年と順次改善していた項目は「安全のきまりを守る」「整理整頓」「外で体を動かす」「かぜをあまりひかない」「TVの音量等で注意されない」であり、反対に低下した項目は「あいさつ」「TVやゲームの時間」「姿勢」「大便が出る」であった。これらを就寝時刻の変化でみると、進級しても就寝時刻が早い児童と遅くなる児童では、日常の生活行動に有意な違いが認められた。就寝時刻が早い児童は、全体的に規則正しい生活ができており、「朝ごはん」「偏食」「歯磨き」以外にも「整理整頓」「家の手伝い」「間食しすぎない」「学校が楽しい」など多くの項目で生活が改善され、就寝時刻が遅くなる児童では、進級しても日常生活が改善される傾向が少なかった。とくに「TVやゲームの時間」や「あくび」の他に、「服装の乱れ」「TVの音量による注意」などにも生活の質の低下が認められ、就寝時刻の改善が小学生期の重要な課題であると確認した。
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Research Products
(8 results)