2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパー空間における学習のためのメタ認知スキルアップ支援システムの開発
Project/Area Number |
18500703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
柏原 昭博 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10243263)
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Keywords | 知識工学 / 知的学習支援 / ハイパー空間 / メタ認知スキル / 教育工学 / 認知的徒弟制 |
Research Abstract |
Webコンテンツが提供するようなハイパー空間での主体的な調べ学習を対象に、メタ認知的活動を遂行する能力(メタ認知スキル)の向上を支援するシステムの開発を目的として、本年度は、以下の1〜3を実施した。 1.知識構築プロセスモデルと外化ツールの洗練 これまで、ハイパー空間におけるページ間の関係づけの単位を基本ナビゲーションプロセスとして定義し、その種み重ねとしてハイパー空間における知識構蘂プロセス(ナビゲーションを伴った学習プロセス)をモテル化してきた。本研究では、さらに関連研究の最新動向を調査して、ハイパー空間における知識構築モデルを洗練し、より的確に知識構築プロセスを観察・制御できる外化ツールを開発した。 2.メタ認知スキルアップ支援メカニズムの開発 (1)外化支援:知識構築プロセスの外化を困難とする学習者のために、他の学習者(Peers)による外化履歴データのマイニングを行うことで典型的な知識構築プロセス制御のパターンを抽出し、分かりやすく実演する手法を開発した。 (2)自己評価支援:知識構築プロセス制御の自己評価を支援するために、の評価ポイントにしたがって複数のPeersが学習者の知識構築プロセスに対して批評を加えるPeer Reviewシステムを開発した。また、外化した知識構築プロセスが最も類似しているPeerを同定し、両者の外化履歴データからその差分を抽出して学習者の外化表現上に表示するメカニズムを開発した。 (3)Fadingメカニズム:認知的徒弟制の考え方に基づき、学習者が自分のメタ認知スキルに応じて外化ツール、外化支援・自己評価支援を段階的に除くこと(Fading)を可能とするメカニズムを開発した。 3.予備実験 開発した各支援メカニズムが期待通りに機能するかどうかを確かめるために、様々な調べ学習向けコンテンツを準備し、ケーススタディを実施して支援メカニズムを洗練した。 以上の研究成果については、学習支援に関連する国内外の会議・研究会において公表しており,今後も学術雑誌をはじめ,国際会議での発表を予定している。
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