2007 Fiscal Year Annual Research Report
情報モラル、個人情報保護を中心とした学校の情報化に伴う問題についての研究
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18500740
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 元洋 Kinjo Gakuin University, 現代文化学部, 准教授 (80350958)
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Keywords | 情報モラル / 情報倫理 / 個人情報保護 / ネットいじめ / 情報安全教育 / 携帯電話 / 生徒指導 |
Research Abstract |
個人情報保護法全面実施後である2005年度に行った調査結果を分析した結果,学校の個人情報保護への対策はまだまだ遅れた状態であることがわかった。また、個人情報保護は単なる安全管理の問題ではなく、個人情報に関する権利の保護であるという認識は低いこともわかった。自分の個人情報の権利を無視されている児童生徒は個人情報の権利の重要性について気づきにくいと考えられるため、情報モラル教育の中で、児童生徒に個人情報を大切に扱うことの重要性を指導するには、日常の学校生活の中で、児童生徒の個人情報に対する権利が尊重されなければならないと言える。 また,ある公立中学校のネットいじめ等の問題への対応事例を教育的側面と法的側面の両方から検討を行った。その結果まず、この問題への学校の教育的介入の限界を明らかにした。また、学校の対応に違法性がある場合を指摘しながら、教師の行為として介入が許容される程度を、当該事件への教育的介入の必要性の高さとその事件が生じた場の特性から説明する構造的把握を提案した。それらの検討を通して、学校が指導方針を策定し、それを保護者や外部に示し、学校の責任範囲を明確にした上で、保護者との連携を進めていく必要を論じた。 また,教育現場の教師と共同して,実践事例や教材の開発を行った。中学校の教諭の協力を得て,すべての先生が参加し,全校的な体制で取り組む情報モラル教育の実践事例を開発した。この事例は学会等で発表するだけでなく,「文部科学省委託事業すべての先生のための情報モラル等の指導キックオフガイド」にも紹介した。また,高校の教諭の協力を得て,携帯電話で学習できる教材の開発を行った。
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Research Products
(8 results)