2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報モラル,個人情報保護を中心とした学校の情報化に伴う問題についての研究
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18500740
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 元洋 Kinjo Gakuin University, 現代文化学部, 准教授 (80350958)
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Keywords | 情報モラル / 情報倫理 / 個人情報保護 / 教員研修 / 情報安全教育 / リスクアセスメント / 遠隔交流 / テレビ会議 |
Research Abstract |
平成20年度の研究成果は、「学校における情報モラル教育の実践事例開発や問題への対処方法に関する研究」、「ネットいじめ等の問題への対応事例の分析」について行った。 平成20年度に発表された小学校と中学校の新しい学習指導要領では、道徳等で情報モラルをしどうすることが明記された。このことは、特定の係や教科の教師だけでなく、すべての教師が情報モラル教育を行えば良いわけではないことを意味する。札幌市立平岡中学校の尾崎廉教諭の協力を得て、全ての教師が取り組む情報モラル教育の実践事例を開発した。その過程で、中学校3年間を見通したカリキュラムや情報モラルの指導に自信を持てない教師が不安を感じることなく実践できるための体制作り等に関する知見が得られた。また、平岡中学校の教師を対象にした調査結果から、授業を実践したことが無い教師ほど、指導に自信が持てない傾向が見られることがわかり、教員が相互にサポートしあえる校内体制を作って、指導経験を全ての教師に持たせることが指導する自信を持たせるために有効であると考えられることが示唆された。 また、ネット上で発生した問題に生徒が関係した際の指導方法については、四日市市教育委員会と共同して、対応フローチャートを作成し、学校で組織的に問題に対応するための手順や関連する法令について整理することができた。 さらに、ネットいじめに対する学校の指導事例をX中学校から提供を受け、それについて法的側面、教育的面から検討を行った。一部の教育委員会では、ネットパトロール等が行われているが、会員制のサイト等では、不正アクセス禁止法に触れる行為をしなければ教師が状況を把握できないなど、学校の対応に制限が生じ、対応が困難である。実際に学校が直面した事例を元に、法的側面、教育的側面の両面から検討し、指導の限界と、教育的介入の許容される条件と範囲について考察した。
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Research Products
(10 results)