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2009 Fiscal Year Annual Research Report

中世における「テトラビブロス」の伝承の研究

Research Project

Project/Area Number 18500767
Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

山本 啓二  Kyoto Sangyo University, 文化学部, 教授 (60329927)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 矢野 道雄  京都産業大学, 文化学部, 教授 (40065868)
Keywords占星術 / プトレマイオス / テトラビブロス / フナイン・イブン・イスハーク
Research Abstract

プトレマイオスによる『テトラビブロス』の2種類のアラビア語版のうち、フナイン・イブン・イスハークによって改訂された、いわゆる「フナイン版」のアラビア語写本がひとつ新たに見つかった。それは、British Library Or. 9115(ff.131b-206b、西暦1686年)である。これは、カイロ写本およびザーヒリーヤ写本にきわめて近いものであり、サービト・イブン・クッラによる解説が付いている。
また、パリの国立図書館にある唯一のシリア語訳写本については、年代が必ずしもアラビア語訳以前だという確証を得ることができず、アラビア語版がシリア語版から作られたという可能性は極めて低いことがわかった。したがって、シリア語版とアラビア語版はそれぞれ別のギリシア語原典から翻訳されたと考えられ、当初予定していた、シリア語版とアラビア語版の比較検討は、あまり重要なものではなくなった。『テトラビブロス』第1巻第9章「恒星の力」から判断する限り、ウマル・イブン・アル=ファッルハーンによる「ウマル版」は、ギリシア語版とは大きく異なっており、単なる要約というよりも、現存しないパフラヴィー語版からの要約の可能性もあると思われる。また、「フナイン版」について言えば、「恒星の力」の章に含まれる、各恒星に帰される惑星の性質の記述から判断して、ギリシア語版との決定的な違いが部分的に明らかになった。もっぱら12世紀以降の写本に依存した現行のギリシア語版がどこまで正しい「原典」を伝えているかについても検討する余地がでてきたと言える。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 『テトラビブロス』の伝承について2009

    • Author(s)
      山本啓二
    • Organizer
      日本科学史学会
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      2009-05-20

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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