2006 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性キレート剤を用いた植物プランクトンの増殖制御技術の開発
Project/Area Number |
18510071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90253335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 輝弥 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70345601)
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Keywords | 生分解性キレート剤 / 鉄 / 錯生成植物 / プランクトン / 海洋 / スペシエーション / 生物学的有効性 / サイズ分画 |
Research Abstract |
1.生分解性キレート剤として、4種類のアミノカルボン酸型キレート化合物を合成した。合成した生分解性キレート剤には不純物が多く含まれており、これらが植物プランクトンの培養を阻害する可能性があることから、溶媒抽出や再結晶、カラム法により各生分解性キレート剤を99%まで精製する方法を確立した。 2.キレート剤存在下における鉄の存在状態と挙動を明らかにするために、各種キレート剤を10^<-6>-10^<-4> mol/l含む人工海水中に2価又は3価の塩化鉄溶液を添加して、鉄化学種をサイズ別に分画して時間変化を測定した結果、海水中ではCaイオンやMgイオンの影響によりキレート剤の鉄に対する錯生成能力が低下するため、キレート鉄錯体として溶存する鉄の画分に加えて、水和酸化鉄のコロイド態や粒子態も比較的多く生成することが分かった。 3.生分解性キレート剤を添加した海洋植物プランクトンの培養において、鉄化学種及びキレート剤の濃度変化をフォトダーオードアレイを備えた高速液体クロマトグラフィー(PDA/HPLC)及びフレームレス原子吸光法により明らかにした。生分解性キレート剤の海洋植物プランクトンに対する影響としては、生長促進効果が見いだされた。一方、EDTAのような一般的なキレート剤は、濃度の増加とともに生長抑制効果を示した。植物プランクトン細胞への鉄取り込み量を放射性トレーサーを用いて観測した結果、キレート剤の生長への影響は、細胞内又は細胞表面における鉄取り込み量の変化と良い相関を示すことが分かった。
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[Journal Article] Seasonal dynamics of dimethylarsenic acid degrading bacteria dominated in Lake Kibagata2006
Author(s)
Maki, T., Watarai, H., Kakimoto, T., Takahashi, M., Hassegawa, H., Ueda, K.
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Journal Title
Geomicrobiol. J. 23
Pages: 311-318
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