2008 Fiscal Year Annual Research Report
固有ジョセフソン接合への磁束書き込み・演算・読み出し
Project/Area Number |
18510113
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
羽多野 毅 National Institute for Materials Science, ナノ物質ラボ, グループリーダー (50354337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Huabing 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 主幹研究員 (70421427)
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Keywords | 固有ジョセフソン接合 / ジョセフソン磁束 / ロックイン現象 / 不揮発性記憶 |
Research Abstract |
超伝導体中では磁場は量子化され、一定の大きさをもつ磁束量子として存在する。磁束量子の中心部では、超伝導状態が壊れされているため、エネルギーが高い状態にあり、このような磁束量子の運動にはエネルギーの散逸を伴う。層平行磁場下に置かれた固有ジョセフソン接合で、磁束のコアが超伝導を示すCuO_2面を横切ることなく絶縁層で結晶を貫いていると、コアが超伝導層を横切っていないため散逸が無く、接合電流によるローレンツカで接合間を高速で運動し、接合に磁束フロー電圧が発生することが知られている。これをロックイン状態という。一方、磁場が接合面から傾いていると超伝導のCuO_2面を横切り、散逸のため高速運動は抑制される。電気的に、ロックイン状態をON/OFFさせることができればデバイス応用に期待がかかる。本年度は、固有ジョセフソン接合としてY-123系について、電流によるロックイン現象を利用したデバイス動作の検証を行った。層平行近傍の磁場下、温度2-10Kの電流-電圧特性・磁束フロー電圧の評価を行った。その結果、Bi-2212のような、角度・温度・磁場強度に依存するロックイン現象に加えて、10K以下の低温において、バイアス電流によるロックイン状態のスイッチング現象が見出され、パンケーキ磁束の消滅と生成、即ち、ロックイン状態をOFFするパンケーキ磁束の消去と書き込みがそれぞれ、0.5mAと0.9mAの電流バイアスにより可能であることを示し、その繰り返し読み出し・繰り返し書き込み消去動作を確認した。
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Research Products
(5 results)