2007 Fiscal Year Annual Research Report
災害時要援護者向け支援情報システムの検討 〜「人的システム」との融合の観点から
Project/Area Number |
18510150
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
後藤 順久 Nihon Fukushi University, 福祉経営学部, 教授 (90215509)
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Keywords | 避難 / パニック / 情報伝達 / 防災マップ / 災害時要援護者 |
Research Abstract |
昨年度の研究実績である、1.実験対象者の選定,2.台帳作成の先進事例調査,3.災害時要介護者台帳(仮)の整備,4.防災マップの作成,5.一斉同報メールシステムの構築,6.位置情報監視システムの構築を受けて,今年度は以下の研究項目を成果として獲得した. 7.対象地域での実証実験 災害発生(地震)直後において、聴覚障害者が自宅(職場・学校)から避難所までの第一次避難を、安全かつ最適に実行するための支援ツール(避難支援情報システム)の有効性を確認することを目的とし、半田小学校を避難所と想定し、聴覚障害者及び見守りネットワークの役割を持つ被験者を割り当て、実験シナリオに基づき実証実験を実施した。 8.システムの有効性評価 実証実験を通じて、おおむね、以下の有効性が確認できた。 (1)文字情報で伝わるため、情報の誤解が少ない。 (2)Web連携機能によりメッセージの返信が可能であり、到着確認が確実に行える。 (3)返信には、メッセージの候補が登録でき、聴覚障害者にも操作が容易である。 (4)余裕のある聴覚障害者からは、災害情報も返信され、システムの危険エリアの追加等に利用できる。 今後の課題として、以下のことが確認できた。 (1)災害時にはメール遅延等の影響が懸念される。 (2)メール送信時にGPSの位置検索のメッセージが表示されると、誤って位置検索をキャンセルするケースがあった。結果、その回の位置登録が行えないことが発生した。 (3)GPSについては、普段とは違う携帯機種を使ったため、メール確認等に手間取るケースがあった。 (4)今回の被験者である聴覚障害者は、携帯電話によるメールを普段使い慣れているという点で、メールによる情報提供は有効な方式であることを確認した。ただし、障害タイプにより違いが発生するため、音声や手話テレビ電話等の併用を検討する必要がある。
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