2007 Fiscal Year Annual Research Report
1923年関東地震の大規模余震群による本郷での観測記録のアーカイブ化と地震動評価
Project/Area Number |
18510154
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
片岡 俊一 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60333712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊明 清水建設株式会社技術研究所, 企画グループ, グループ長 (80393560)
宮腰 淳一 清水建設株式会社技術研究所, 施設基盤技術センター, 研究員 (00393570)
早川 崇 清水建設株式会社技術研究所, 施設基盤技術センター, 研究員 (10393563)
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Keywords | 1923年関東地震 / 大規模余震 / 東京 / 長周期地震動 / 飽和記録 / 変位記録 / 今村式強震計 / 教室強震計 |
Research Abstract |
今年度は1924年1月15日に神奈川県西部で起きたマグニチュード7.3の地震(丹沢地震)を中心に研究を行った.昨年度は初動から主要動にかけての経時変化が説明できる震源モデルを提案したが,今年度はこれを後続位相を含めた波形全体が説明できるモデルに改良した.また,得られた震源モデルを用いて経験的グリーン関数法により首都圏各地の地震動を推定した.その結果は報告されている震度と調和的であり,報告されている震度5の領域では計測震度が4.5程度となった.一方,長周期地震動が問題となる地点においては,3次元有限差分法と経験的グリーン関数法とのハイブリッド法により地震動を算出した.その結果は,応答スペクトルにおいてレベル1相当の地震動であることが分かった.以上の地震動評価結果については,現在論文投稿の準備を行っている. また,この地震を観測した3つの地震計,今村式2倍強震計,教室強震計,Ewing型強震計の記録を比較した.3つの地震計にはそれぞれ欠点があるものの,適切な処理を行えば3者の記録は良く対応することが分かった.このことは,今村式2倍強震計の飽和の復元精度,教室強震計の固有振動数と減衰定数,およびEwing式強震計の起動時間に目処が立ったことを意味し,今後,他の地震の記録を利用する際に大変有益な情報が得られたと考えている. 一方,今村式2倍強震計による飽和した記録の復元精度は昨年検討し,今年度は学会発表を行った.その際の質疑に対応し,内容を更に洗練した.現在,成果を論文としてまとめている.
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