2007 Fiscal Year Annual Research Report
種々の大気海洋指標を用いた,気候変動と西日本域降水量変動との関連性の解明
Project/Area Number |
18510163
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神野 健二 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (80038025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 明 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (10177735)
西山 浩司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20264070)
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Keywords | 気候指標 / 自己組織化マップ / 梅雨期 / 豪雨 / 気温 |
Research Abstract |
本研究では、4つの気候指標が過去約100年間に示したパターンの分類を行った。解析に用いた4つの気候指標は、南方振動指数(SOI)、太平洋数十年振動指数(PDOI)、北太平洋指数(NPI)、インド洋ダイポールモード指数(DMI)である。これら指標の各年の平均値を計算し、自己組織化マップという非線形分類手法を用いて、それら指標の各年平均値が過去約100年間の間に示したパターンの分類を行った。さらに、これら気候指標のパターンと福岡市の年降水量及び年平均気温との対応関係を調べた。その結果、SOI、NPIが通常年より非常に高く、PDOI、DMIが通常年より非常に低い値であった年の翌年は福岡市の気温、特に4月〜9月にかけての気温が通常年より低くなる傾向があった。 また、気候・気象場と降水場との関連をより詳細に検討するために、豪雨を引き起こす気象場の検出に関する研究も行った。具体的には、自己組織化マップ手法を用いて、北部九州を対象として梅雨期の成層状態のパターン分類を行った。この研究では、自己組織化マップを適用することで、他次元の成層状態を一塊の情報としてとらえ、二次元の平面上へと分類する。その結果、梅雨期の成層状態に関する特徴的なパターンを把握することができた、次に、1999年6月29日に福岡都市圏を襲った豪雨イベントを対象にして、SOMによる成層状態の診断を行い、そのパターンを対象領域内に表現した。その結果SOMの特性に着目することによって、この豪雨イベントに対する成層状態を比較的容易に判断することができた。 上記のアプローチを福岡のみでなく他都市にも適用することで更に、気候・気象場と西日本降水量との関連を検討していく必要がある。
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Research Products
(5 results)