2007 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ指導者と競技者のセクシュアル・ハラスメントに関する認識と経験の現状と特徴
Project/Area Number |
18510233
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
熊安 貴美江 Osaka Prefecture University, 総合教育研究機構, 准教授 (90161710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 貴子 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (60099554)
太田 あや子 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 准教授 (80258946)
高峰 修 明治大学, 政治経済学部, 講師 (10409493)
吉川 康夫 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (90200964)
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Keywords | スポーツ / 指導者 / 競技者 / 倫理 / セクシュアル・ハラスメント / 暴力 / 認識 / 現状 |
Research Abstract |
本研究では、前回の科学研究費助成による研究成果(スポーツにおいて女子学生が経験するセクシュアル・ハラスメントの現状とその特殊性)を踏まえ、その継続・発展研究として、スポーツ指導者と競技者間に生じるセクシュアル・ハラスメントに関する認識と軽験を、双方の側から掘り下げ比較検討することで、スポーツにおけるセクシュアル・ハラスメントのさらなる現状解明にアプローチしようとした。 今年度はまず、財団法人日本体育協会加盟団体271団体に対し、倫理に関する規程等の整備状況をたずねる質問紙調査を実施し、150団体(55.4%)からの回答を得た。日本のスポーツ組織における倫理問題への取り組みの現状を明らかにしたこのデータは、2008年3月のスポーツ社会学会にて報告した。また昨年度から継続して、各都道府県体育協会を介し、スポーツ指導者、競技者に対するスポーツにおける倫理調査を実施した。指導者については現在約900件の回答が郵送にて回収され、順次データ入力を進めている。 数値データ、自由記述ともに分析はこれから進めていくが、状況によって判断が異なるセクシュアル・ハラスメントや、これまで当然視されてきた感のある「ある程度の/行過ぎない程度の」体罰といった問題を、スポーツの文脈において関係者がどのように解釈しているのかという点と現状を、数値データや自由記述の分析によって明らかにしていきたい。 調査ではまた、この問題に関するインタビューへの協力者も募り、現在のところ数人の申し出を得ている。このインタビューの分析により、競技関係者のセクシュアル・ハラスメント、暴力などの認識形成がいかに行われているのかについて、より詳細な分析を試みる予定である。
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