2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己決定原理の理論的・実証的研究 - 医療従事者の自己決定を素材に
Project/Area Number |
18520018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小柳 正弘 琉球大学, 法文学部, 助教授 (20186828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 朋弘 熊本大学, 文学部, 助教授 (90295288)
中村 直美 熊本大学, 法学部, 教授 (60039980)
永田 まなみ 熊本大学, 医学部, 講師 (40295150)
小川 寿美子 名桜大学, 人間健康学部, 講師 (20244303)
本村 真 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30274880)
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Keywords | 自己決定 / 社会的自我論 / G.H.ミード / 自由 / 医療 / 医療従事者 / パターナリズム / ビジネス倫理学 |
Research Abstract |
この研究は、自己決定の現状を理論的かつ実証的に検討することで、自己決定重視原則の改訂に資する新しい自由の理念を模索するとともに、そうした理念の妥当性を医療行為における自己決定という具体的なフィールドにおいて検証しようとするものである。以上のような研究の目的をふまえ、本年度は、研究実施計画にもとづき、理論的研究と実証的研究の両面において以下のような実績をあげた。 1.理論的研究としては、(1)自己決定重視原則の現状と問題点を概観し、強い個人が自己に固有のものを決定するという「自己決定の理念」と弱い個人が他者にもかかわることの決定をひきうけざるをえないという「自己決定の現実」との乖離をあきらかにしたうえで、(2)G.H.ミード等の社会的自我論等にもとづき、「私」にも「私たち」にも本質的な結びつきをもつような新しい自由の理念の原型を提起し、(3)パターナリズム論やビジネス倫理学の立場から、その具体的な展開の可能性を探索した。 (1)については小柳が論文をまとめ、(2)(3)については研究用の冊子を作成した。 また、これと並行して、 2.実証的研究としては、(1)沖縄県および熊本県で、医師3名、医学生1名、看護師4名、看護師経験者1名に、医療にかかわるさいの自身の行為がなんらかの意味で自己決定という性格をもっているといえるかについて、自己認識を中心に聞き取り調査を行い、(2)分析の結果、年齢、経験、職場等によって、医療における自身の「自己決定」について両極の認識や評価があることがあきらかになった。(3)こうした結果をふまえ、今後の実証的研究は、質的な調査に力点をおいたものとすることを計画している。
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Research Products
(1 results)