2007 Fiscal Year Annual Research Report
数学・論理学における構成主義についての哲学的・歴史的研究
Project/Area Number |
18520025
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
金子 洋之 Senshu University, 文学部, 教授 (60191988)
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Keywords | 構成主義 / 数学の哲学 / 直観主義 / ブラウワー / ダメット |
Research Abstract |
本年度は、構成主義の歴史的・哲学的基盤を明らかにするという目的から、ブラウワーの直観主義に焦点を合わせ、彼の直観主義的思想を、主としてカント・フレーゲ・ウィトゲンシュタインの思想に部分的に重なる部分を明らかにする作業を通して、一種の「数学の哲学」として考えることはできないかを探った。その結果、ブラウワーの考える数学の構成が「あらゆる思考の共通基盤としての数学的構成」を基盤としてもつという意味で、可能な思考の限界を規定するという意義もつこと、この点で、カントから出発するフレーゲの思想、およびウィトゲンシュタインの『論考』での前期思想における算術の位置づけと相当程度の共通性をもつこと、また、そのような数字の哲学として、通常直観主義に帰せられるような「基礎づけ主義」の色彩はないことを論証し、さらに、構成主義における「提示要求」もまた基礎付け的な要求ではないということを論じた。この成果は、『生田哲学』第11巻において論文として公表されている。 これとは別に、フレーゲにおける「証明概念」とブラウワーにおける「心的構成としての証明」概念とを比較して、それらが形式的証明(例えば自然演繹)とどの程度共通性を持つかを明らかし、証明・構成・形式性の関わりについてより立ち入った解明を行うという研究、また、ダメットにおける「証明論的意味論」の発想の起源とその実行可能性を検討するという、二つの研究を同時並行的に行ったが、これらは現在なお進行中であり、最終的な形にまとめるまでには至っていない。
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Research Products
(2 results)