2006 Fiscal Year Annual Research Report
植民地期朝鮮における檀君系教団の分裂・提携・統合運動に関する研究
Project/Area Number |
18520057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐々 充昭 立命館大学, 文学部, 助教授 (50411137)
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Keywords | 檀君 / 檀君教 / 大〓教 / 朝鮮新宗教 |
Research Abstract |
韓末の儒教教団から植民地期の檀君教創設に至る過程の研究を行い、2006年1月に行われたアジア民衆史研究会第二回シンポジウムで、「近代東アジアにおける国教創設運動の展開-韓末における儒教革新団体から檀君教の創設へ-」という報告を行った。その研究成果として、『アジア民衆史研究』第11集に論説「東アジア近代におけるウエスタン・インパクトと国教創設運動」を発表した。 また、中国東北地方における大〓係教の活動に関する研究を行い、その成果として、ソウル大学校宗教問題研究所が発行した『宗教と歴史』に、論説「1920年代満州における「大高麗国」建国構想-韓国民族宗教と日本アジア主義者との邂逅-」を発表した。また、植民地期の檀君教系教団の動向を詳細に検討した結果、1930年代以降の朝鮮半島において、檀君教系教団の信徒たちが中国で発生した道院・紅卍字会という新宗教団体と連合する運動を展開した事実が明らかとなった。その研究成果を公表するために、2006年8月に中国の北京大学で行われた国際学術大会「東亞社会変革与新宗教」(北京大学国際東亞研究中心、北京大学宗教研究所、韓国新宗教学会による共同主催)に参加した。本学術大会において、「戦前期の大本教と道院・世界紅卍字会との連合運動に関する研究」というテーマの報告を行い、戦前期において日本の大本教、中国の道院・紅卍字会、朝鮮の檀君教との連合運動が存在した事実を明らかした。 以上、本年度は、研究の成果を、日本国内だけではなく、韓国や中国に向けて発信し、グローバルな視点からの朝鮮史研究を試みた。その一方で、当該研究分野に関する朝鮮語及び中国語の各種文献資料を幅広く収集した。来年度は、このようにして構築した海外研究者たちとの研究ネットワークを土台に、本年度に収集した各種の文献資料の読解と分析を進め、さらなる研究の飛躍を期する予定である。
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Research Products
(4 results)