2008 Fiscal Year Annual Research Report
植民地期朝鮮における檀君系教団の分裂・提携・統合運動に関する研究
Project/Area Number |
18520057
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐々 充昭 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (50411137)
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Keywords | 檀君 / 檀君教 / 大〓教 / 朝鮮新宗教 |
Research Abstract |
上海に設けられた大韓民国臨時政府と大〓教西道本司との関係について研究を行い、その成果として「申圭植の宗教思想と民族独立運動-ディアスポラ空間における宗教性の表出」『韓国学報告書:倍達民族の歴史意識と思想家たち』を公表した。また、朝鮮人学者たち(崔南善・李能和・鄭寅譜・安自山など)の全集資料の中から檀君および大〓教に関連する記事を抜粋し、1920年代から30年代にかけて展開された朝鮮国学運動と大〓教との関係について明らかにした。 その他、本年度は特に、大〓教信徒たちに関する聞き取り調査を韓国で行った。現在の大〓教総典教(教主)である李栄載氏、大〓教宣道師である禹元相氏、社団法人国学研究所研究員である金東煥氏(元大〓教幹部)から、解放前後期における大〓教の動向に関するインタビューを行い、その結果をデータ化した。これらのインタビューを通じて、大韓民国臨時政府幹部として中国領内で活躍した大〓教信徒たちが、解放後、国内に帰還して金九が率いる韓国独立党に結集し、李承晩の勢力と政治闘争を展開しながら、檀君ナショナリズムを普及させる活動を展開した事実について、詳細な口述記録をとることができた。 中国の道院・世界紅卍字会と檀君教との提携関係に関する問題については、主に基礎史料の収集と読解を行った。戦前期に日本で刊行された世界紅卍字会関連報告書類の他、1935年朝鮮において道院・世界紅卍字会が設立された際に記された史料などを新たに発見した。これらの史料の解読を行いながら、中国の道院世界紅卍字会・日本の大本教・朝鮮の檀君系教団という東アジア三国の新宗教団体の連合運動について調査した。
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Research Products
(2 results)