2008 Fiscal Year Annual Research Report
中近世絵画史における画題の形成と伝達・蓄積-狩野派を中心に-
Project/Area Number |
18520085
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 誠士 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (50211446)
|
Keywords | 美術史 / 狩野派 / 画題 / 障壁画 / 画巻 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の中近世において、絵師がどのような過程を経て絵画制作をおこなっていたかを、画題という側面に焦点をあてて明らかにしてゆくことである。平成20年度は、耕作図、狩猟図、帝鑑図など中国伝来の画題がいかに和様化したのかについて焦点をあてて考察した。これらの画題の場合、その表面的な内容だけではなく、中国においてこめられた意味がどのように伝達・理解されるのかが受容を考えるうえで重要なポイントであった。つまり、観者に意味が伝わるためには、観者がその内容を汲み取れるだけの知識をもっていることと同時に、描く側にもその画題についての知識が必要だからである。その点については、研究実績にあげた論文及び著書で具体例をあげて明らかにした。 あつかったおもな作品は、個人蔵韃靼人図、サンフランシスコ・アジア美術館蔵韃靼人図、フリア美術館蔵韃靼人図、個人蔵唐画筆図巻、東京芸術大学美術館蔵耕作図である。
|
Research Products
(3 results)