2006 Fiscal Year Annual Research Report
センセーション・ノヴェルの再評価ーメアリー・ブラッドンとウッド夫人の小説
Project/Area Number |
18520166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 隆 山形大学, 人文学部, 助教授 (00207888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106745)
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Keywords | ウッド夫人 / ブラッドン / 不倫 / 探偵 / 離婚法 / 犯罪科学 / センセーション・ノヴェル / 大衆ジャーナリズム |
Research Abstract |
(1)ウッド夫人の長編小説East Lynne(1860-61)およびThe Channings(1861-62)に関する論文、研究書、博士論文等の先行研究を蒐集し、その内容を精査し、bibliographyの電子的データベースを構築した。同様に、メアリー・ブラッドンのMrs.Halliburton's Troubles(1862)、Aurora Floyd(1863)、John Marchmon's Legacy(1863)に関する論文、研究書、博士論文等の先行研究を蒐集し、その内容を精査し、bibliographyの電子的データベースを構築した。 (2)上記のそれぞれの作品について、不倫と刑事(探偵)の主題を中心軸として、さらにフェミニズム的視点と父権制の観点から、精密な本文テクストの分析を行い、抽出された重要な引用箇所などのデータを電子的データベースとして整理した。 (3)上記の5つの作品について、共時的な枠組みとして1857年の「離婚法」というテーマを設定し、当時の大衆ジャーナリズムと離婚訴訟や女性による殺人事件にまつわる報道記事を調査した。同時に、「探偵」という人物造型と19世紀末葉のヴィクトリア朝の犯罪科学(forensic science)との関連を見直すために、ヴィクトリア朝の人類学、博物学、精神医学関連の文献を蒐集し、文献の主要テーマと梗概を分類・整理した。 以上の3点の研究内容は、研究代表者の博士論文(特に第3章)に反映されている。中村隆、Dickensin the Late-Victorian Context: Socio-Cultural, Politico-Economical, and Literary History in Bleak House, Great Expectations and "Sikes and Nancy"(博士論文、東北大学大学院・文学研究科・文化科学専攻、2007年3月27日取得)
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Research Products
(1 results)