2006 Fiscal Year Annual Research Report
初期英国小説における「孤児」主人公と、18世紀英国社会における「孤児問題」の研究
Project/Area Number |
18520199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 典之 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (50172937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 アキラ 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00079097)
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Keywords | 孤児小説 / 捨て子養育院 / イギリス18世紀小説 / ーラム・ファウンデーション / 孤児問題 |
Research Abstract |
国内外の図書館・大学に出張することにより、『初期英国小説における「孤児」主人公と、18世紀英国社会における「孤児問題」の研究』の全体像把握のための資料収集を行った。文学史においてはマイナーではあるが、孤児問題の観点からすると重要な、復刊されていない孤児小説群を収集し研究した。 知名度はあるが、研究が充分進んでいるとは言えない孤児小説であるファニー・バーニーの『イヴリーナ』を詳細に研究し、その成果を英文学講義によって、大学院生、学部生に啓蒙した。 連合王国、及びアメリカ合衆国に出張し、孤児問題を専門に扱う施設である「捨て子養育院」(Coram Foundation, Foundling Hospital)と「ニューヨーク捨て子養育院」(New York Foundling Hospital)の実地調査を行った。 研究課題についての論文「遺棄された小説起源--バスタディとイギリス十八世紀小説」を執筆し、これは近々英宝社より出版される書物である『十八世紀英文学研究』に掲載されることが決定されている。 研究課題に関連する翻訳である、ゲオルゲ・フォルスター著『世界周航記』(上)を岩波書店から2006年12月19日に出版した。これは研究代表者、服部典之の単独訳である。総頁数は242頁。また研究課題に関連する書物である『スコットランド文化辞典』(原書房、2005年刊行)の書評を研究社の雑誌『英語青年』2007年3月号に執筆・掲載した(pp.48〜9)。 研究課題に関連する各種学会・研究会に参加し、他の研究者との議論を深めた。また、服部は2007年5月19〜20日に開催される日本英文学会で、研究課題と関連するシンポジア第3部門の司会兼講師を務めることになっており、出張することにより、他の講師と打ち合わせ及び情報交換を行い、貴重な議論を交わすことができた。
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Research Products
(3 results)