2007 Fiscal Year Annual Research Report
初期英国小説における「孤児」主人公と、18世紀英国社会における「孤児問題」の研究
Project/Area Number |
18520199
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 典之 Osaka University, 文学研究科, 准教授 (50172937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 アキラ 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00079097)
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Keywords | 孤児小説 / 捨て子養育院 / イギリス18世紀小説 / コーラム・ファウンデーション / 孤児問題 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、国内の図書館・大学に出張することにより、『初期英国小説における「孤児」主人公と、18世紀英国社会における「孤児問題」の研究』の全体像把握のための資料収集を行った。知名度はあるが、研究が充分進んでいるとは言えない孤児小説であるファニー・バーニーの『イヴリーナ』について昨年度行った講義を元に、「イギリス18世紀英文学・英文化研究会」の第十回例会において、「性と交易の物語学-世界周航記と「不名誉な交渉」(Infamous Commerce)-」というタイトルで学会発表を行った。発表1時間強に加え、1時間を優に超える活発な議論が交わされ、「孤児問題」の重要性が再確認された。また2007年5月に開催された日本英文学会第79会全国大会では、「空間表現の近代英文学-「旅立ち」と「到着」の謎(エニグマ)-」というタイトルのシンポジウムで司会兼講師を務めた。 研究課題についての論文「遺棄された小説起源-バスタディとイギリス十八世紀小説」を刊行し(『未分化の母体-十八世紀英文学論集-』英宝社刊)、これは研究社の専門誌『英語青年』の書評で高い評価を得た。研究課題に関連する翻訳である、ゲオルゲ・フォルスター著『世界周航記』(下)を岩波書店から2007年6月に出版した。これは研究代表者、服部典之の単独訳である。また研究課題に関連する書物であるJohn Richetti, The Life of Daniel Defoe(Blackwell Publishing,2005.xi+406pp)の書評を研究社の雑誌『英文学研究』第八十四巻(2008年11月)に執筆・掲載した。
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Research Products
(3 results)