2007 Fiscal Year Annual Research Report
アラブ・ペルシア文学における異形の表象の比較研究-越境者アレクサンドロスを追って
Project/Area Number |
18520286
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
山中 由里子 National Museum of Ethnology, 民族文化研究部, 助教 (20251390)
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Keywords | 比較文学 / アレクサンドロス / 博物誌 / 地理書 / 旅行記 / 異形 / アラブ / ペルシア |
Research Abstract |
18年3月に東京大学総合文化研究科に提出した博士論文「寓意としてのアレクサンドロス-イスラーム古典期における信仰と歴史意識において」の審査を19年7月に受け、9月に博士号(論文博士)が授与された。博士論文の刊行にむけての修正・加筆の過程において、イスラーム勃興からモンゴルの侵攻までの時代(7世紀〜13世紀初め)のアラブ・ペルシア文学における時系列的な世界観の変遷と空間的・地理的な世界観の拡大の関係について検討をした。研究成果公開促進費(学術図書)の交付が内定しており、名古屋大学出版会から20年度中に刊行の予定である。 総合研究大学院大学海外先進教育研究実践支援制度にてフランスのコレージュ・ド・フランスへの派遣された(19.9.16-20.5.16)。内9月18-9月30日は当科研費にてオーストリアおよびドイツに滞在し、ヨーロッパイラン学会とドイツ東洋学会に参加した。前者ではガズナ朝ペルシア文学におけるインド観とアレクサンドロス像について発表した。 フランス滞在中はアラブ・ペルシアの地理書・博物誌・旅行記、物語関連の資料収集を行った。また主にフランスのギリシア文学、中世・近現代ヨーロッパ文学専門の比較文学研究者との学術交流を行い、当研究の参考になる分析の手法や文献情報を豊富に得ることができた。フランス国立図書館(Biblotheque Nationale de France)で中東のアレクサンドロス物語について講演を依頼されたことは成果の一つである。
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Research Products
(3 results)