2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国保安族の消滅の危機に瀕した言語、保安語積石山方言にかんする調査研究
Project/Area Number |
18520319
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 暢治 Hiroshima University, 北京研究センター, 准教授 (90263657)
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Keywords | 保安語 / モンゴル系言語 / 危機言語 / 現地調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国の甘粛省臨夏回族自治州積石山保安族東郷族撤拉族自治県大河家鎮大〓村、甘河灘村などに居住する保安族16,505人(2000年)が話しているモンゴル系の言語、保安語積石山方言を危機言語の観点からフィールド調査をおこなったうえで、その調査結果を公刊することにある。そして、得られた成果を現地に還元することになる。 この目的を達成するため、本年度も8月に甘粛省臨夏回族自治州積石山保安族東郷族撤拉族自治県大河家鎮において、次のような現地調査をおこなった。 1.大〓保安話においては、語彙調査、民話「大工とその妻」の再調査、モダリティないしはエビデンシャリティなど文法の調査。 2.甘河灘保安話においては、語彙調査、モダリティないしはエビデンシャリティなど文法調査。 3.保安族の民族文化を代表する「保安腰刀」の名称、部位名称、及び歴史に関する調査。 そして研究成果として、本年度は、「甘河灘保安話の親族名称」、「保安語積石山方言における指示詞の現場用法について」、「大〓保安語の数詞「一」に由来するg〓」という3篇の論文と、「保安語における1人称代名詞複数の包括形と排除形の区別」という1篇の学会発表をおこなった。 来年度は本研究の最終年度であるが、さらに調査研究を推し進めるとともに、研究成果報告書の作成をおこなうことにしている。また、同時に研究成果をweb上で公開する予定である。
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