2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 不二夫 愛知県立大学, 文学部, 教授 (20149496)
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Keywords | 英語史 / 近・現代 / 日記・書簡 / 助動詞do / 進行形 |
Research Abstract |
「研究計画調書」に則り、平成18年5月、近代英語協会第23回大会において、シンポジウム「言語変化と語彙拡散/収束の諸相」の司会と講師を務めた。書籍の形による日記・書簡資料150冊の分析結果を中心に、受動進行形に使われる動詞の拡散の実態とその拡散順序の必然性、doを用いない肯定疑問文は、come, do, go, say, thinkがとる特有の構造に収束し終には19世紀中に消滅したこと、prevent+目的語+from+Verb-ing型構文とその同義構文の、fromを脱落させ始めた動詞の拡散順序には必然性があることを述べた。最初め2つは、研究社刊『英語青年』の平成19年度リレー連載「英語史のなかの語彙拡散と収束」に掲載される。12月、英英辞書の版の異同を根拠に、20世紀英語の変化を執筆した。平成19年3月、否定辞notが-ing形に後置される構造の盛衰を通して、助動詞doの発達の隠れた側面を執筆した。同月、ヘルシンキ大学で、「未知ないしは稀有の語法の発掘」と題し、日記・書簡資料がいかに英語史の新発見に貢献できるかについて、1時間の講演と30分の質疑応答を行った。いずれも、大規模で綿密な未開拓分野の研究であるとして好評である。 本研究は、このような研究結果を、最新のコーパス言語学の成果を活用し一層補強するための研究である。初年度の18年度は、「本年度の研究実施計画」に述べたとおり、交付内定通知拝受直後の8月に入手した英語史研究のためのデータ資料(InteLex社のCD-ROMによる書簡データ資料)すべてを、年末までにパソコン利用可能な形にデータベース化し直し、年度末にかけてThe Eighteenth Centuryの時期における助動詞doと進行形の用例収集を行い、用例の電算化・統計処理・用例打ち出しを行った。成果は1年度遅れで順次公刊していく。 (スペース含め、791字)
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