2007 Fiscal Year Annual Research Report
若年層の用いる文末表現形式と音声的特徴にみるバリエーションとその教育的応用
Project/Area Number |
18520401
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
谷部 弘子 Tokyo Gakugei University, 留学生センター, 教授 (30227045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 明子 中央大学, 文学部, 教授 (60242228)
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Keywords | 男女差 / 若年層 / 発話末の表現形式 / イントネーション / リズム / 音声受容 / 日本語学習者 |
Research Abstract |
本研究では、話しことばの実態の総合的分析の一環として、日本語の普通体会話における発話末の表現形式とその韻律的特徴に焦点をあて、統語レベルの表現形式とそれを音声として表出した場合の両側面から、若年層男女の日本語運用の一断面について考察している。 平成18年度は、以下の点を、調査結果の分析により明らかにした。 【男女ともに自然に使われている表現形式も、実際に音声化してみると男女で差が見られ、それは女性が場面ごとに変化に富む韻律的特徴(ピッチ変動や持続時間制御)の使い分けをしていることに起因していた。つまり、男性話者より女性話者のほうが場面に応じて相手への働きかけを意識した言語行動をとっている様子がうかがわれた。】 平成19年度では、【上記の女性話者に見られた変化に富む韻律を外国人日本語学習者がどのように聞き取っているか、という観点】から、海外協定校であるドイツ・トリア大学においてドイツ語を母語とする日本語学習者に【リズムとピッチに関する音声聴取実験】をおこなった。得られたデータについては現在分析中であるが、母語の音声受容習慣の干渉が外国語音の知覚にも影響することは、先行研究からも言えることであり、物理的には同一の発話でも日本人とドイツ人が同じ聞き方をするという仮説を支持するのは困難である。事前に行った日本語母語話者に対する予備調査の結果も含めて、分析の詳細については、中国語母語話者に対する調査結果を待って、比較考察の結果を報告する予定である。 なお、予定していた中国・北京師範大学における調査は、諸般の事情により平成20年度に実施することとした。 [海外研究協力者:西沼行博(フランス国立科学研究センター)]
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