2006 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得研究に基づいた運用力養成のためのシャドーイングの研究
Project/Area Number |
18520409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
迫田 久美子 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (80284131)
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Keywords | 日本語習得 / 第二言語習得 / シャドーイング / 運用能力 / アウトプット / 即時処理 / 日本語指導法 / 日本語学習者 |
Research Abstract |
平成18年度の計画は、以下の通りであった。 (1)シャドーイングの基礎研究(3)の成果発表および国内・海外での情報収集 (2)シャドーイングのメカニズムの追究 (3)国内での教育機関(JSL)における実施可能性の検討 (4)海外での教育機関(JFL)における実施可能性に向けての準備 それぞれについての実績および準備状況を述べる。 (1)基礎研究(1)では、シャドーイングが「わかる」から「できる」への運用力の養成に効果があることを明らかにした。そこで、基礎研究(2)では、音読と比較することでシャドーイングの効果を検証し、さらに書写と比較することで追検証を行った。この実績を、米国ニューヨークで開催された2006年度日本語教育国際研究大会で口頭発表した。 (2)さらに、シャドーイングがレベルによってその効果に違いがあるかどうかについて、2006年夏に韓国語母語話者を対象として1ヶ月の日本語集中研修において実験調査した。その結果、日本語能力検定試験の成績上位群と下位群では、効果に違いが現れ、下位群の方にシャドーイングの成果が見られたが、上位群には訓練の最初と最後の日本語の一連のテストでは、有意な違いが見られないことが明らかになった。この結果については、2007年秋の教育心理学会で成果発表を行う予定である。 (3)国内の教育機関(JSL)として広島市内の某日本語学校に対して、2006年より準備を進め、2007年から全ての中級レベルのクラスで試験的に実施する。担当講師とも連携を取り、朝の授業で毎回10分程度のシャドーイング練習を取り入れ、気づきなどを記入するシートなども開発して取り組んでいる。 (4)海外での教育機関(JFL)で、シャドーイングに興味・関心を持っている地域と国を探し、将来的な実施可能性を探り、現在ではドイツ・オーストリア・台湾・韓国・米国などが候補として考えられ、複数の教育機関の専任教員の協力が期待される。
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