2007 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得研究に基づいた運用力養成のためのシャドーイングの研究
Project/Area Number |
18520409
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
迫田 久美子 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (80284131)
|
Keywords | 日本語習得 / 第二言語習得 / シャドーイング / 運用能力 / アウトプット / 即時的処理 / 日本語指導法 / 日本語学習者 |
Research Abstract |
平成19年度の計画は、以下の通りであった。 (1)国内での1ヶ月の語学研修において、学習レベルの違いのシャドーイングの影響を実験調査する。 (2)以下の(1)〜(3)を考慮し、国内での日本語学校(JSL)での全ての中級レベルクラスでの本格的な導入を検討し、実施する。(1)題材(2)評価方法(事前・事後テストの内容)(3)実施方法とフィードバック (3)海外での日本語教育(JFL)における1年間のシャドーイングの実施調査 (4)地域ボランティア教室における実施の可能性の検討それぞれについての実績および準備状況を述べる。 (1)シャドーイングがレベルによってその効果に違いがあるかどうかについて、2006年夏に韓国語母語話者を対象として1ヶ月の日本語集中研修において実験調査した。その結果、日本語能力検定試験の成績上位群と下位群では、効果に違いが現れ、下位群の方にシャドーイングの成果が見られたが、上位群には訓練の最初と最後の日本語の一連のテストでは、有意な違いが見られないことが明らかになった。 (2)国内の教育機関(JSL)として広島市内の某日本語学校に対して、2006年より準備を進め、2007年から全ての中級レベルのクラスで実施した。担当講師とも連携を取り、朝の授業で毎回10分程度のシャドーイング練習を取り入れ、気づきなどを記入するシートなども開発して取り組んだ。綿密な事前・事後テストに加え、学生ごとのファイルなども作成、アンケート調査も含めて取り組んだ。 (3)海外での第二言語習得研究とシャドーイングに関する講演やセミナーを通して、海外での日本語教育の現場の教師にも大いに関心が高まった。具体的には、2007年ドイツ、2007年9月エジプト、2007年11月韓国、2008年3月タイでの講演を通して、いくつかの教育機関(JFL)での可能性が検討中である。 (4)2008年4月に国内の某交流協会主催の研修を通して、地域ボランティア教室の実施可能性を検討する予定。
|
Research Products
(4 results)