2008 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得研究に基づいた運用力養成のためのシャドーイングの研究
Project/Area Number |
18520409
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
迫田 久美子 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (80284131)
|
Keywords | 日本語習得 / 第二言語習得 / シャドーイング / 運用能力 / アウトプット / 即時的処理 / 日本語指導法 / 日本語学習者 |
Research Abstract |
平成20年度の計画は平成19年度の調査を受けて、以下の3点に設定した。 (1)国内での1ヶ月の語学研修において、フィードバックの違いのシャドーイングの影響を実験調査する。 (2)以下の(1)〜(3)を考慮し、国内での日本語学校(JSL)での全ての中級レベルクラスでの本格的な導入を検討し、実施する。(1)題材(2)評価方法(事前・事後テストの内容)(3)実施方法とフィードバック (3)海外での日本語教育(JFL)における1年間のシャドーイングの実施調査それぞれの成果を以下に述べる。 (1)韓国の大学生約30名を対象として、毎日授業初めの15分のシャドーイングを2週間実施し、教師主導のフィードバック群とピア・ラーニングに基づく学習者同士のペア学習群の2群に分け、効果の検証を行った。その結果、事前と事後でテストを行った結果、教師主導のフィードバック群の方に成績が有意に高い項目が多く、教師主導のフィードバックがペア学習よりも効果があることが分かった(迫田ほか2008)。しかし、この点は、学習者のレベルが関係していることが推測され、さらなる研究が必要であろう。 (2)日本語学校での4月〜12月までの9ヶ月の導入を通して、(1)題材を学習者のレベルより難しい場合と易しい場合で成績の違い(2)文節ごとのチェックによる評価・音読・書き取り等の評価(3)実施に伴う教師の記録を行い、日本語教育機関での実施に関する可能性と問題点を明らかにした。 (3)海外での日本語教育機関では、アメリカのアリゾナ州立大学や中国の上海海事大学等で試験的に実施した。海外での関心も高く、中等教育の教材開発の観点からも、海外7カ国(アメリカ・中国・韓国・台湾・タイ・オーストリア・日本)の12機関を選出し、2009年度の基盤研究(B)海外学術研究に応募し、研究を続行することとした。
|
Research Products
(1 results)