2008 Fiscal Year Annual Research Report
英語ライティング指導におけるピアフィードバックの効果
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18520445
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
広瀬 恵子 Aichi Prefectural University, 外国語学部, 教授 (40145719)
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Keywords | ピアフィードバック / ライティング / 英語指導 / インタラクション |
Research Abstract |
平成20年度は、ピアフィードバックを用いた英語ライティング指導において、実際に学習者がどのようなフィードバックを互いにしあうのかを、教室内で収集した書面でのデータを基に探った。分析には、ビデオ撮影した口頭でのピアフィードバックのデータも補助的に用いた。研究目的は、(1)学習者がピアフィードバックを行う際に作文のどの側面にどう反応しあうのか、(2)ピアフィードバックで、作文のどの点に注意を向ける傾向があるのか、を明らかにすることである。分析の結果、学生は作文の様々な側面に多様なフィードバックを行っていることが明らかになった。具体的には、作文の内容、語彙、文法、パラグラフ等について、質問、感想、提案、関連情報の提供等を行っていた。特に、内容に関して、関連した質問したり、感想を述べるフィードバックが多かった。授業で学んだパラグラフ構成に関するフィードバックもあった。例えば、トピックセンテンスをもっと作文の内容に合うように別なものに変えた方がよいといった提案や、つなぎの語句が効果的に使われていたのでわかりやすかった、といった感想を述べる等。このような共通点があった半面、フィードバックで取り上げる点には個人差もみられた。例えば、常に文法や語彙に注目して質問をする学生がいる一方で、言語面にはあまり注意を向けず内容に特化したフィードバックをする学生もいた。本研究の結果、学生は作文の様々な側面に注意を向け、内容の書き足しや洗練化につながるコメントや英文パラグラフ構成に関するコメントを互いにしあっていることが分かった。この結果は、ピアフィードバックが学習者同士の多様なインタラクションを生みだす相互互恵の協同学習であることが示すものである。
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