2007 Fiscal Year Annual Research Report
子どもとおとなの第二言語学習者及びバイリンガル児の文法発達過程に関する研究
Project/Area Number |
18520448
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
平川 眞規子 Tokyo International University, 国際関係学部, 教授 (60275807)
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Keywords | 第二言語習得 / 英語 / 日本語 / 文法発達 / バイリンガル / 普遍文法 / 動詞 / 項構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第二言語習得過程に及ぼす第一言語の影響と文法構造の習得を規定する言語の普遍的および個別的な資質を明らかにすることである。研究2年目にあたる平成19年度は、幼児〜大学生の日本語母語児、第二言語学習者、日英語バイリンガル話者を対象に、実験的手法によりデータを収集した。前年度に日本語母語児を対象にパソコン上で動画を用いた予備実験を行ったが、手法を改良し本年度は日英語のバイリンガル(主に大学生)を対象に、調査を開始し現在も継続中である。 本年度は、日英語の文法発達および言語産出に伴うジェスチャー(意図の達成に向けての行為の一環)に関して検討した。特に以下の3点に焦点を当てて研究を行った。 1.動詞の項構造(移動や様態を表す動詞など) 2.動詞のアスペクト(特に『進行』と『状態』の相違について) 3.思考内容の言語化の際、特に移動や様態を表す動詞を用いて話しをする際に産まれるジェスチャー 移動や様態を表す動詞の項構造の習得に関しては、母語児、第二言語学習者、バイリンガル話者から発話データを収集し、文字起こしを行い、分析方法の開発を行った。文字起こしと分析は今後も継続する。また新たに研究項目に加えたジェスチャーに関しては、今後分析方法の詳細を検討する。ある言語において話しをする際、母語からの第二言語への影響(バイリンガルの場合は、一つの言語からもう一つの言語への影響)があるのかどうか、という観点から検討する。言語の構造に加え、ジェスチャーという言語外の側面に注目した研究は、代表者の知る限り存在しない。今後は、第二言語学習者を対象に実験を継続し多角的にデータ分析を行い、言語発達に関わる普遍的および個別的な資質を明らかにしていく。
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