2007 Fiscal Year Annual Research Report
北海道における戦争と記憶-地域における歴史認識のケーススタディー
Project/Area Number |
18520486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
P.A. SEATON Hokkaido University, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (70400025)
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Keywords | 北海道 / 太平洋戦争 / 記憶 / 歴史認識 / 地方史 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、北海道各地の歴史認識を探るため、函館、網走、北見、旭川などでフィールドワークを行ない、各地の歴史博物館などの戦争関連の展示内容、展示方法や、各自治体による戦争の歴史を風化させないための敢り組みなどについて調査した。平成20年度にはこれまでにカバーしきれなかった北海道内の地域においてフィールドワークを実施する予定である。 また、北海道内の市民グループによる証言収集活動や地域の戦争記念行事、テレビ、新聞など北海道メディアの報道について分析し、論文にまとめた: "Family, Friends, Furusato: "home"in the formation of Japanese war memories", Japan Focus http://www.japanfocus.org/products/details/2469 さらに、北海道新聞社による戦争体験者の証言連載シリーズ『戦禍の記憶』(道新選書、2005年)の証言内容を整理・分析し、さらに同社の記者2名にインタビューを行ない、北海道メディアが伝える歴史認識及びそのアプローチについて調査した。また、証言が連載された戦争体験者3名にも直接会い、インタビューを実施したが、これらをオーラルヒストリーの観点から整理し、「『戦禍の記憶』北海道新聞に見る戦争体験者の証言」として論文にまとめた(同論文内容は、2008年9月23-26日、メキシコで開催予定の国際オーラルヒストリー学会で発表予定)。 平成19年度は、主に上記プロジェクトを通して研究活動を行なったが、国のレベルで語られることの多い歴史認識について、個人レベル、地域レベルから分析を行なう重要性について再確認することが出来た。欧米では日本の歴史認識を語る時、正統的アプローチにより、国家レベルの認識を中心に扱うことが多い。個人及び地域レベルの歴史認識を探ることで、今後も日本における認識の多様性を国内外に示していきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)