2006 Fiscal Year Annual Research Report
「紀伊水道およびその周縁部における中世海運・流通の研究」
Project/Area Number |
18520495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
綿貫 友子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40314447)
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Keywords | 日本中世史 / 紀伊水道 / 海運 / 流通 |
Research Abstract |
年度以前に着手していた『高野山文書』『東大寺文書』『東寺百合文書』などの寺社関係史料、県史関係からの史料収集に加え、淡路国・阿波国・土佐国関連の市町村史、地誌類を主に関係史料の収集・整理を継続して行った。地域の生業、荘園からの貢納に関する収集史料を通し、当該地域に関する中世海運・流通を検討するうえで複数の重要な手懸りが得られた。申請段階においては予定していなかった校務の職責に多くの時間を割く必要が生じ、当初計画していた研究時間が確保できなかったこともあり、活字資料の収集と分析が作業の中心となったが、主要な市史・町史所収史料については概ね目を通し、関係史料を抽出することができた。しかし、申請段階で予定していたデータベースの作成については、覚書的かつ部分的なものに止まった。 関係地域の調査としては、淡路国南部(現、洲本以南の東南岸、鳥飼浦以南の西岸)、阿波国北東部(徳島県鳴門市・徳島市)、土佐国南部(現、土佐清水市から室戸市にかけて)それぞれの沿岸部の中世湊津の比定地を主に海岸線や海流の状況、後背地域、関連寺社との位置関係を確認するため、現地を巡見調査し、併せて博物館・資料館での史(資)料見学を行なった。調査を進めるなかで、讃岐国の湊津と太平洋の航路の連絡に関わる課題が見出されたこともあり、讃岐の中世港湾に関する考古学の報告がなされた岡山での中世土器研究会や讃岐国宇多津に関する香川県立歴史博物館の現地調査に同行し、考古学的見地からの中世湊津について資料を収集した。その他、課題に関連する企画展示が行なわれた品川区立歴史資料館、シンポジウムが開催された和歌山県白浜町に出張し、資料収集を行なった。
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