2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520510
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松尾 正人 Chuo University, 文学部, 教授 (00157265)
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Keywords | 近・現代史 / 史料学 / 政治史 / 政治思想史 / 文化交流史 / 談話筆記 / 回想録 / アーカイブズ |
Research Abstract |
本年度は、談話筆記や回想録の調査・収集を継続するとともに、その背景となる幕末維新の実像あるいは裏面を把握する関係史料の調査・収集に全力をあげた。具体的には、山口県文書館・同県立山口図書館に出張し、長州藩関係者の「松菊余影」 「木戸孝允言行録」 「藤公實歴」 「伊藤博文言行録」 「宍戸備後(宍戸〓)畧履歴」などを調査・収集した。言行録・実歴の類は十分な史料批判が必要あるが、『松菊木戸公伝』や『伊藤博文伝』などに記されていない裏面、あるいは宍戸〓のようなしっかりとした伝記が公刊されていない有力者の実像を明らかにする史料として、検討・分析を進めている。また、青森県史編纂室に出張して戊辰戦争や戦後の弘前藩政・青森県政に参画した杉山龍江関係の「杉山丕家文書」などを調査・複写し、弘前市立弘前図書館でも弘前藩関係者の諸記緑などの調査とデジタルカメラによる撮影・収集を行なった。これらの文書・記緑からは、明治3年に弘前藩権大参事となり、廃藩置県後に青森県内の郡長を歴任し、西南戦争に際して旧弘前藩士族の政府軍参加に尽力した杉山龍江の数奇な軌跡など、これまで知られていなかった旧弘前藩関係者の動向が明らかになる。さらに、中央大学図書館に所蔵されている『史談会速記録』全411輯の複写・分類を継続し、あわせて同館所蔵「明治初期名家書簡・草案集」の整理・分析を行なった。『史談会速記録』については、主な記事の複写を行ない、ファイルに整理した。複写記事の仮目録を作成し、その上で王政復古、戊辰戦争、廃藩置県、府県政などの項目を立て、分類作業を進めている。史談会の有力幹事であった岡谷繁実の同会における活動、その背景となる政治活動との関係についても、調査・分析を重ねている。
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