2006 Fiscal Year Annual Research Report
第2次世界大戦期における米軍「精密爆撃」の変容 ー原爆投下への道程ー
Project/Area Number |
18520569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
田中 利幸 広島市立大学, 付置研究所, 教授 (10329336)
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Keywords | 戦略爆撃 / 無差別爆撃 / 精密爆撃 / 空爆 / 米陸軍航空軍 / 戦争倫理 / 原爆投下 / 防空政策 |
Research Abstract |
本年度は国内ならびに米国において以下の研究課題に関する資料調査と収集に当たった。 1.国内(国会図書館、防衛庁防衛研究所図書館、奈良県立図書館における調査) 太平洋戦争期間中に日本政府ならびに日本軍当局が米軍の空襲に対して、どこまでその破壊力の実態を明確に把握しおり、どのような対策案をもっていたのか、国民の生命の防禦と安全性確保をどこまで具体的に考えていたのかなどを知るために、主として「防空演習法案」の作成過程ならびに「防空訓練」の具体的な政策内容に関する資料の調査と収集を行った。さらに、「防空訓練」に動員させられた国民の意識はどのようなものであり、どこまで空襲の実態を理解していたのかに関しても、関連の回顧録などを収集し分析することに努めた。 2.米国(米国立公文書館ならびに米国連邦議会図書館における調査) (1)第2次大戦中に爆撃を担当した米陸軍第8航空軍ならびに第20航空軍の内部において、米軍の公式戦略であった「精密爆撃」がどのような経緯を経て「飽和爆撃」、すなわち現実には「無差別爆撃」へと移行していったのかという疑問に沿った形で、両航空軍が作成した資料、とりわけ攻撃目標選定と爆撃効果に関する報告書に焦,点を当てて資料の調査と収集に、米国立公文書館において当たった。 (2)戦時中に発行された大衆雑誌、『ライフ』、『タイム』、『USニュース』の他、女性向け雑誌である『マコール』や『グッドホームキーピング』などに掲載された、敵国爆撃に関する記事、写真、さらには「爆撃機」に関するボーイング社や戦時情報局が作成し掲載した広告を収集し分析することによって、米国民が一般的に「敵国市民爆撃」に対してどのようなイメージを抱いていたのかを分析することに努めた。この資料調査は、ワシントンの米国連邦議会図書館において行った。
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Research Products
(2 results)