2007 Fiscal Year Annual Research Report
第2次大戦期における米軍「精密爆撃」の変容-原爆投下への道程-
Project/Area Number |
18520569
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
田中 利幸 Hiroshima City University, 付置研究所, 教授 (10329336)
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Keywords | 戦略爆撃 / 無差別爆撃 / 精密爆撃 / 空爆 / 米陸軍航空軍 / 戦争倫理 / 原爆投下 / 防空政策 |
Research Abstract |
2007年度は、6〜7月にほぼ1ヶ月にわたるイギリスでの長期調査と、国立国会図書館における合計3週間の調査を行った。 (1)イギリス:イギリス国立公文書館ならびに大英図書館における調査 第2次世界大戦中のヨーロッパ戦線における連合軍側のドイツ空爆、とりわけイギリス空軍RAFの空爆戦略の実態と思想が、米国の爆撃軍に与えた戦略上ならびにモラル上の影響に関して調査を行うため、主として英国立公文書館所蔵の関連資料の収集に当たった。英軍が行っていた夜間の無差別爆撃とはあくまでも一線を画し、昼間の「精密爆撃」に固執していた米陸軍航空軍の指導層が、実際には無差別の「地域爆撃」へと戦略を移行させていった過程の解明に焦点をあてて資料探索に当たった。さらに、RAFによる敵国ドイツへの空爆が当時のイギリスの新聞や大衆雑誌においてどのように報告されていたのか、逆に敵国ドイツによるイギリス各地への空爆はいかに報道され、その結果、どのような「敵国」に関する大衆イメージが形成されたのかについて調査するため、大英図書館において戦時中の新聞・雑誌類の調査と分析を試みた。 (2)国立国会図書館における調査 国立国会図書館における調査では、主として日中戦争期に、日本軍による中国諸都市への空爆が、当時の日本の大衆雑誌や新聞にどのように報告されていたのかについて、国会図書館所蔵の雑誌、写真グラフ、新聞を利用して調査を行った。昨年度行ったアメリカ連邦議会図書館での、また本年度6〜7月に大英図書館にて行った、米英両国における同様の大衆雑誌における敵国空爆に関する報告との比較分析の目的でこの調査を行い、「敵国空爆」のイメージが、日本、アメリカ、イギリスではどのような共通点が見られ、どのような違いがあったかを分析するために必要な資料の調査収集を行った。
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Research Products
(2 results)