2009 Fiscal Year Annual Research Report
第2次世界大戦期における米軍「精密爆撃」の変容-原爆投下への道程-
Project/Area Number |
18520569
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
田中 利幸 Hiroshima City University, 付置研究所, 教授 (10329336)
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Keywords | 精密爆撃 / 戦略爆撃 / 無差別爆撃 / 空爆 / 米陸軍航空軍 / 戦争倫理 / 原爆投下 / 防空政策 |
Research Abstract |
平成21年度の調査は、主として以下の3つのテーマに絞って行った。 (1) 前年度に引き続き、日中戦争期に、日本軍による中国諸都市への空爆が、当時の日本の大衆雑誌や新聞にどのように報告されていたのかについて、国立国会図書館所蔵の雑誌、写真グラフ、新聞を利用して調査を行った。前年度に行ったアメリカ連邦議会図書館でならびに大英図書館にて行った、米英両国における同様の大衆雑誌における敵国空爆に関する報告との比較分析の目的で引き続きこの調査を行った。 (2) 太平洋戦争末期に連合軍側、特に米陸軍航空軍が日本本土に対して全国的規模で激しく展開した空襲、ならびに、その最終戦略として行われた広島・長崎への原爆投下に対して、日本政府、関係省庁、軍部の各部門における責任者たちがどのように反応し、どのような対策をとったのかに関する公文書を、国会図書館憲政資料室ならびに国立公文書館所蔵の関連資料から選択・収集し分析することを行った。特に、原爆投下とポツダム宣言受諾(=降伏の決断)との関連性において、政府閣僚、軍指導層、関係省庁官僚たちが、それぞれどのように反応し、どのような態度をとり、どのような議論を行ったのかを示すような資料の発見に努めた。 (3) 日本空襲中に墜落し捕虜となったB-29爆撃機の搭乗員を処刑した罪を戦後間われた岡田資少将の戦戦犯裁判にて、日本側ならびに米国側が、無差別爆撃をどのように解釈していたのかの相違を知るために、関西大学図書館に所蔵されている岡本尚一弁護士寄贈裁判資料を調査、分析した。
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Research Products
(2 results)