2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520599
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
次山 淳 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (80260058)
|
Keywords | 考古学 / 3・4世紀 / 土器 / 国際交流 |
Research Abstract |
日本列島の弥生時代終末から古墳時代前期にあたる3・4世紀において、中国・朝鮮半島をはじめとする東アジア諸国との間にさまざまなかたちの交流があったことは、いくつかの考古資料に加え、『魏志倭人伝』等の文献史料からうかがい知ることができる。当該期の日本列島の政治的な中心地を大和・河内をふくむ後の畿内地域に求めると、こうした交流の場は、畿内、大阪湾、瀬戸内海、北部九州、特に玄界灘沿岸地域、壱岐、対馬、朝鮮半島といった主要なルートを構成する地域と、その周辺に求めることができるであろう。本研究は、考古資料、なかでも土器を主たる材料として、当時の日本列島と朝鮮半島との交流のありかたを考察しようとするものである。このための分析の視点として、次の5点を設定した。(1)畿内から瀬戸内海、北部九州、壱岐、対馬へいたる畿内系土器の動態、及びその逆方向の土器の動きの把握と分析。(2)朝鮮半島で出土した日本系土器の実態の把握と分析。(3)日本列島で出土した朝鮮半島系土器の実態の把握と分析。(4)交流の門戸としての玄界灘沿岸集落遺跡の内容の把握と分析(主として福岡市西新町遺跡の分析)。(5)畿内への窓口である大阪湾沿岸集落遺跡の内容の把握と分析、である。本年度は、それぞれの課題に関連して、A 基礎文献資料収集作業、B 資料実態の把握、C 資料の実地調査を実施した。AおよびBについては、本研究全体にかかわる研究史文献の収集と整理(3・4世紀の東アジア交流に関する文献史料、考古資料による研究成果の集成検討)、西日本(特に北部九州)出土畿内系土器の事例集成、日本列島出土朝鮮半島系土器の事例集成、韓国出土日本系土器の事例集成、北部九州、主として玄界灘沿岸の集落遺跡の事例集成、大阪湾沿岸の集落遺跡の事例集成、等の作業を実施した。Cとして、韓国出土日本系土器に関連して釜山広域市立博物館および同福泉分館の見学を実施した。
|