2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの水産資源や漁場利用慣行に関する比較研究-民俗知モデル構築をめざして-
Project/Area Number |
18520627
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
李 善愛 Miyazaki Municipal University, 人文学部, 准教授 (90305863)
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Keywords | 海士 / 海女 / 資源利用慣行 / 民俗知 / 磯資源 / 漁場利用 |
Research Abstract |
本研究は、日韓両国の地域別アマ(海女・海士)の漁業と生活について社会・経済、宗教、生態との関係から総合的にみることで、日韓両国の水産資源と漁場利用慣行について海域別「民俗知」の特徴を明らかにする。そのため平成19年度は、東シナ海流域の韓国慶尚南道、全羅南道沿岸地域と、日本奄美大島、沖縄、四国、和歌山、三重県地域で聞き取り調査を行った。その結果を地域別にまとめると、まず韓国の南海地域は海女を中心に船をもって漁をするのが基本的な操業形態であるが、最近、密漁の問題と同時にアクアラングやコプッレッサを利用して短時間に大漁を試みる海女が増え資源枯渇を促していることである。資源や後継者が減っているのもーつの理由であるが、行政はそれに対する問題の深刻さに気づいていない。海女は日雇いの小作人として漁をしている。一方、日本はほとんどの地域で海士が漁を行っている。ただ、徳島県は他の地域では資源管理のため漁を休んでいる時期なのに漁を行っている。アワビは産卵後のため肉が痩せていて春まで育てるのが商品価値を高めるのを知っていながら自分たちがとらないとよその村の海士がとるのでしがたないようである。しかし、代々慣行として資源管理を厳しくしてきた村は潜水漁で生活を営むことができるが、資源管理をしてこなかった村は、潜水漁は昔の記憶として終わっている。漁民のとれる資源がない海は海としての機能は、終わっていると思う。資源管理を行っている村の漁業慣行や漁業戦略については今後さらに追求していきたい。
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Research Products
(3 results)