2007 Fiscal Year Annual Research Report
口述記録と文書記録を基礎とした現代日韓関係史研究の再構築
Project/Area Number |
18530125
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
佐道 明広 Chukyo University, 総合政策学部, 教授 (10303091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小針 進 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (40295548)
浅野 豊美 中京大学, 教養部, 教授 (60308244)
古川 浩司 中京大学, 法学部, 准教授 (00340183)
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Keywords | 政治学 / 政治史 / 国際関係 / 日韓関係 |
Research Abstract |
本研究では、次の2点に特に焦点をあてて研究することにしていた。すなわち「韓国研究者、日本政治外交(史)研究者、国際関係研究者を中心に、韓国の研究者の協力も得て、包括的な視点での資料収集を行なおうというものである。その際、文書資料はもちろんであるが、(略)近年ようやく方法論的に定着しつつあるオーラル・メソッドを用いて日韓関係に関する基礎的資料の収集を行うことも重要な課題としている。(略)(第二に)今後の研究を発展させるためにはこれまでの研究状況の把握も必要なことから、日韓双方で行なわれた研究状況の確認や、収集したインタビューや収集資料に基づく研究課題の整理などを日韓両国の研究者で行なう」ということである。そこで、これまで軍事政権下における韓国民主化運動の中心的リーダーの一人である金泳三元大統領、軍事政権下で国会副議長まで務めた張聖萬氏のオーラルヒストリーを実施し、それぞれ記録を公刊した。それらオーラルヒストリーの内容および収集した文書資料等を韓国側研究者も交えて議論したところ、以下のような点が明らかになった。 第一に、金元大統領・別の研究で実施した塚本三郎元民社党委員長(韓国の政党と交流があった)の証言等から明らかになったことであるが、軍事政権下の韓国において、政府側だけでなく民主化運動の中心となった野党政治家も米国や日本との深い関係を背景に活動していたことである。第二に、民主化運動の中心である政党の活動について、これまで具体的な内容はあまり明らかにされてこなかったが、党内の状況、選挙運動の実態などが金元大統領、張元副議長等の証言でその一面が表れてきたことである。第三に、大統領制のもとにおける大統領のリーダーシップの在り方や政策決定の一面が明らかにされたことである。 以上の点は本研究で明らかにされたことであり、これを基礎に今後の研究に発展させていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)