2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信産業の競争政策の理論・実証研究:ブロードバンド産業を中心に
Project/Area Number |
18530203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依田 高典 Kyoto University, 経済学研究科, 教授 (60278794)
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Keywords | ブロードバンド / 情報通信 / ADSL / FTTH / 2G / 3G / ユニーバーサルサービス / デジタルデバイド |
Research Abstract |
本研究「情報通信産業の競争政策の理論・実証研究:ブロードバンド産業を中心に」では、電気通信民営化後20年を経て、電話からインターネットへ移行する産業構造を中心にして、新しい競争政策の在り方を理論・実証の両面から研究した。主要な研究内容は以下のように要約される。 Ida, T. and T. Kuroda (2009) "Discrete Choice Model Analysis of Demand for Mobile Telephone Service in Japan," Empirical Economics vol. 36. 1: 65-80. 携帯電話需要は第二世代(2G)から第三世代(3G)へ移行の途上にある。本稿の目的は、離散選択モデルを用いて、移動体通信サービスの需要代替性分析を行うことである。本論文の第一の結論は、携帯電話の需要代替性のパターン分析である。我々は、携帯電話の加入では、選択肢間の需要代替性が規格グループ内ではなくて、事業者グループ内で働いていることを明らかにした。NTTの3GとKDDIの3Gの需要代替性はそれほど強くない。むしろ、NTTの2Gと3Gの需要代替性が強い。第二の結論は、メール数、ウェブ閲覧、動画送受信の需要弾力性の分析である。メール、ウェブ閲覧、動画の加入需要に対する弾力性を計算したが、2Gと3Gの間の顕著な差異や3G普及に対する顕著な貢献は確認できなかった。サービスの乗換と本当にそのサービスを使いこなすには一定のタイムラグがあり、今はまだ3Gの普及が始まったばかりであるということを表している。
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